2018.12.16

秘密

12月16日(日曜日)

 東野圭吾の「秘密」に初めて出会った日、確か感動のあまりこのblogにその思いを書いたことがあったなぁ。
 その記憶で検索してみるとなんと、2008年5月5日、10年前G.W.の真っ只中でした。あの頃、東野圭吾にはまって色々読み漁り出した頃。あれからもう10年経つなんて、末っ子が成人してしまうわけです。
 で、その日のBlogをあらためて読むと、まあ若い。結構コッパズカシイことをのうのうと書いていらっしゃる。だからといってそんなの削除し始めたらまあ2~3年前以前の投稿はほぼ全部削除しなけりゃならないし。うん、自分の日記帳なんだからそういうものと割り切って放っておくしかないですね。それを世間に公開しているってところが恐ろしいですが;;;

 今日、Gyao!で邦画の「秘密」、28日まで無料ということで観てしまったわけです。初見ではないような気がしたから、たぶん、10年前、あの頃にもDVDレンタルして観てるんだろうと思います。
 小説自体ずっと読んでいないけれど、確か映画のストーリーとは最後の方の持っていき方、結末が微妙に違っていたはず。
 映画は映画で、そりゃもう、当然のように涙そうそうでしたよ。涙腺ゆるゆる。小林薫、岸本加代子、広末涼子がいい味出しています。ほかに大杉漣、伊藤英明、柴田理恵。東野圭吾自身も大学の先生役で。あと中学教師役の石田ゆり子がお色気満開ドキドキ的な使われ方で

 小説の内容を子細に覚えているわけではないけど、自分の中では未だに東野圭吾作品の番付では1位になっている、という記憶だけはあります。「天空の蜂」もかなり競った位置にはいますが。また今週末、小説、読み返してみようかな。
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2018.07.14

『羊と鋼の森』(宮下奈都)/文春文庫

7月14日(土曜日) 
『羊と鋼の森』(宮下奈都)/文春文庫 2016年本屋大賞受賞作品
「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」

 主人公にして語り部の「外村」が、調律師の道を手探りで追求し成長していくこの物語。
『何度も読んで暗記してしまった原民喜の文章の一節、それ自体が美しくて口にするだけで気持ちが明るむ。僕が調律で目指すところを、これ以上よく言い表わしている言葉はないと思う。』
と彼は表現するのだが、この物語の中で何度となく出てくるこの引用文、実に奥が深い。深すぎる。

 ===

 自分の評価がとても高くなる小説というのは、心の中に強い波風を巻き起こし、気持ちが揺さぶられる、その瞬間、完全に自分がその物語の中にいる、そんな瞬間が必ずある。(そしてそれはその小説の中に1度あるとその後何度も出てくるのが常だ。)
 
 今回は作者の技巧的な才能への驚きと、ストーリーの中のエピソード自体での感動などがあった。

☆「技巧的」
 自然の描写、これは「川上健一」の右に出るものはいないと今でも思っているが、宮下奈都は自然の状態描写というよりは自然を見つめる、それを感受するひとの心理描写が秀逸だ。NAOMI自身が幼い頃からそこにある自然に対して感じたこと、しかし上手く表現できていなかったその感情を実に的確に、リアルに、文章で表現できている。そんな言い方があったのか!と。そしてその描写を、音楽の演奏やピアノの調律の場面などに重ね比喩的に用いる。
 だから、北海道の「森」を感じるのと同じように、大事なシーンでの登場人物の心の動き五感で感じとることができるのだ。
 これはある意味、川上健一の「雨鱒の川」などでも言えたが、田舎育ちでなければ、十分に堪能できない部分かも知れず、その意味では ここでもまた自らの田舎育ちの有難みを再認識したところだ。

☆エピソード
 「外村」が調律師として成長する過程を、調律に絡む現場でのいくつかのエピソードで組み立てている。ほぼみんな素敵なエピソードなのだが、中でも思わずグッと胸がつかえてしまったことがあった。ネタバレになるから多くは書けないが、依頼されて調律に行った一軒家での、暗い青年、酷く劣化したアップライトピアノ、その中に落ちていた色々なものに混じっていた少年の笑顔の写真。調律を終え、試し弾きした青年の「子犬のワルツ」、青年の表情の変化。
 この一連のエピソード、これだけでこの小説を選んだことに満足し、最大級の評価をしたい気分になれた。 

☆これも深い 
 登場人物のセリフとして比喩が多用され、「名セリフ」が多く出てくるのもこの小説の特徴。一々うーん、と唸ってしまうことしばしば。例えば、
「多くのものをあきらめてきたと思う。・・・・(中略)・・・・。たくさんのことを素通りしなければならなかった。でも、つらくはなかった。はじめから望んでいないものをいくら取りこぼしてもつらくはない。ほんとうにつらいのは、望んでいるのに、自分の手には入らないことだ。」

 冒頭に紹介した一節もしかり。『文体』を○○に置き換え、
「明るく静かに澄んで懐かしい○○、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている○○、夢のように美しいが現実のようにたしかな○○」
 として、様々な○○を想像し、納得したくなる。こんな風に思考回路に翼を与えられるような、素敵な物語だった。

 映画化されたらしいが、観るには少し、勇気が要る。

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2018.02.08

『‌祈りの幕が下りる時』

2月8日(木曜日)
『‌祈りの幕が下りる時/東野圭吾 著』
 テレビで一瞬だけ見た映画のPR、即、本屋で小説本をGetしました。
 まあ、さすがに東野圭吾、外れはありません。心に大きなさざ波をもたらしてくれました。
 ということで、この役を誰がどんな風に演じるのか・・・・という思いが強烈に募り、行ってきましたイオンシネマ。(結局テレビCMにうまくやられているなあ、、、)

 とはいえ。
 小説あとの映画ではその出来栄えにガッカリということもよくありますが、今回はキャスト、構成ともバッチリ。
 ネタバレになるから詳細は書けませんが、父と娘の“とあるシーン”では、小説以上に心を動かされ、こみあげるものがありました。父役のあの俳優、ガッツリいい演技してました。もともと好きですが、尚更良いなあと思うようになったし、娘役も本当に将来が期待できる演技をしていました。
 素敵でした。

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2018.02.02

『サラバ!/西加奈子 著』(小学館文庫)

2月2日(金曜日)『サラバ!/西加奈子 著』(小学館文庫)

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「僕はこの世界に、左足から登場した。」
で始まる、直木賞・本屋大賞2位など輝かしい金字塔を打ち立てたこの作品が文庫本化され、上中下の3分冊となった。

 本屋大賞は大体外れが無いし、これもいつかは読みたいと思っていたのだが今回たまたま本屋の店頭で目立っていたため、まずは上巻を「ジャケ買い」した。

 1冊目の舞台は全体の伏線で、何を言いたいのかわかりづらく少し退屈なところもあったが、その後はグイグイ引き込まれ、あっという間に読了。

 主人公「歩(あゆむ)」による自叙伝的な一人称語りで進む物語なのだが、彼の幼い頃の立ち位置感覚・自意識、そしてその後の退廃感など(容姿に関する自信や、大学1年期の奔放な行動等は全く別としても)自分にオーバーラップする部分が結構あり、それだけに、終盤の「力強い希望の光」を見いだしそう・・・的な上向きを予感させる展開はズシン、と奥深いところに響くものがあった。

 結論として、今この時期にこの作品に出会えたことはすこぶるラッキーだった。
 今、出会うべくして出会ったのかも知れないとも思える。
 
 昨日テレビで知ったことだが、作者西加奈子氏は、中東で暮らした経歴をお持ちとのことで、現地での貧困やテロなどと間近に向き合った生活経験がある。その背景から訴える情景や人々の心理描写などは、妙に迫力があるのだがそうした彼女のバックボーンを知らされると非常に納得がいく。

 まだお若いのに、この齢のオヤジに、やや大げさに言えば生きる希望を見いださせてくれるとは、人間、精神の成熟度合いは全然年齢じゃない、ということなのだ。
 今度は話題の「i」という作品も読んでみたくなった。

===
 SNS生活を大概にすると(最近はせいぜいtwitter閲覧程度だ)、結構な余剰時間が生まれる。その時間で近頃は読書三昧。というよりは、読みたい本が皆おもしろくて、そっちに没頭するからSNSに行く時間が全然とれなくなっている、というのが真実か。
 
 たまに巡ってくるのだが、今はまさに。自分にとっての充電期間。放電より充電が必要な期間なのだ。たぶん。

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2018.01.17

『消滅世界』

1月17日(水曜日)
『消滅世界(村田沙耶香 著)』/河出書房新社
 半年以上前からの“積ん読”を、今さらながらやっと消化。いつもの読書感想文同様(といってもかなり久々!)、全くの独断と偏見に充ち満ちた内容になっています。
 そして、
 <ネタバレ注意!!>この小説をまだ読んでいない方は、今日のBlog内容は読まないでください。

===
 この小説の読後感。インパクトは小さくないが、後味は悪い。
 しかし、一部の湊かなえ作品のように、最後に「救われた感」が皆無であり(個人的には最悪の部類)どうしようもない(読まなければ良かった)としか思えないかと言えば、この作品はそこまででもない。
 確かに最後「救われた感」は無いのだが、読んだことが全く無駄だったとまでは言えないかな、と。

 それは何か。
 本の帯にも記載されている「実験的思考」(設定)。進行する物語の中で、「ではそもそも○○は何だっけ?」と現実世界の過去・現在・未来に照らして考えさせられる部分があったりするところだ。
 
 ○○に入る言葉は、「恋愛」、「セックス」、「家族」、「出産」であったり「子育て」だったりする。

 全体を通して突っ込みどころは随所にある。
 例えば、
 未来世界、或いは異次元世界なのか?における突拍子も無い設定の中で、登場人物の『羞恥心』に関する記載がない。ストーリーを進行させる上では実は大切な論点なのに、それが都合良く置き去りにされているなど、つじつま合わせが弱く、物語としての総合的なまとまり感に欠ける。

 また、具体的なところでは、
 主人公の女性が「恋人」の男性から、別れ話を切り出される場面。その理由が 「今でも深く愛してはいるし、嫌いになったわけではない。ただ、いつ切りだそうか悩んでいたのだが、逢瀬のたびに君に『挿入』を求められることが本当は辛かったのだ。申し訳ないが、もう耐えられそうも無い。」
 (そもそも、物語の設定上、毎回の「行為」の前に両者はそれぞれのスマホの画像等情報等を用い、それぞれの身体を「行為」が可能な準備状態になるように持っていかなければならない、というところから相当無理な部分はあるのだが)

 作者が女性だから男性の本質や生態を知らないのは無理も無いところではあるが、仮に男がそんな風なことを思い始めたら何をどうしたって「挿入可能な準備状態」に持って行くのはまず不可能。メンタリティに深く依存するところだから。その状態で「いつ切りだそうか」などという状況がしばらく続くのはあり得ないと言っていい。・・・と個人的には考える。
 (まあ、全てが「あり得ない」で成り立っている小説だから、セーフと言えばセーフなのだが・・・)

 そんな部分も併せて、つじつま合わせが弱い、と感じたところではある。
 全く個人的な思いを語れば、非現実ワールドなら、それはそれでその世界の中でのつじつまは合っていてほしい。
 或いはその状況が「こっちの世界」と違うというのであればその部分の説明がどこかでされていて、こっちを納得させた上でそのワールドを成立させていてほしい。
 
 小説の残り2割程度のところで、「終わり方」を自分なりに何通りか想像し、組み立てていたのだが、どれも外れた。そのどれよりも後味がよろしくない方向性だったことに、当てられなかったことよりむしろガッカリさせられた。残念。

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2017.11.04

『深爪流』

11月4日(土曜日)
~役に立ちそうで立たない少し役に立つ話~

 前作『深爪式』から早1年。前作に優るとも劣らぬ、秀逸な内容。
 またもamazonにてサンプル版(Kindle版)を試読し、そのまま勢いで本体を即買い
 前作を読んで良かったと思った方は、買わない手はありません。今回も期待を裏切らない最高傑作です。
 感動を共有しましょう!!

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2016.11.25

『深爪式』

11月25日(金曜日)

『深爪式』単行本: 290ページ 出版社: KADOKAWA (2016/11/2) 著者:深爪

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 恐らく、このタイトルを付けただけでこのBlogの閲覧数は一時的に激増するんじゃないか、と推定できるほど話題になっている本だとは今日までつゆ知らず。今どきの女性たちは普通に読んでるのかな。

    * * *

 ある日twitterで、こちらのrun系の呟きに反応したのか、フォローしてくださった某所にお住まいの女性ランナーがいらっしゃる。とても有り難いので早速こちらからもフォローさせていただいた。
 その方の最近の呟きで「まるで実家に帰ってきたよう」という表現で紹介されていた本である。

 ちょっと興味が湧き、その呟きのリンクからamazonの本販売サイトに飛んだ。
 https://www.amazon.co.jp/53/dp/4047343161/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1480227159&sr=1-1
 「深爪式 声に出して読めない53の話 (eロマンス新書)」と副題。

 Kindle版で試読したところ、ちょっと知的(痴的?)な熟女のリアルなエロいひとり語り・・・の印象。さすが、twitterフォロワー数20万を超えるだけある。文章がうまい。人を引き付ける。あっという間に試読し終わり、続きを読みたいあまり、すぐにKindle版をポチッと購入してしまった。

 中盤から終盤にかけては、最初のエロオンリーの姿勢が徐々に変化。「基本エロ・エッセンスが入った、壮年女性の洒落た自伝エッセイ」という感じに昇華してきた。
 感性が研ぎ澄まされ、表現力が秀逸。他人との関わりや家族のこと、社会問題まで彼女の解釈のしかたに いちいち納得させられる。
 もちろん、笑いをとることは忘れない。エピソードの最後に艶々な自虐的落ちを付すことで、あらゆる毒を笑いに変えて浄化させる。この展開に癒される人間が多いから、ヒットするのだと納得した。

 序盤は、若人には少し刺激的すぎて健全な「スキンシップ」にまで偏見を持たれる可能性もあり、あまりお勧めしたくないが、中盤以降は逆におおいに勧めたい内容となっている。
 ある程度人生経験を積んだ、大人な方々には序盤から是非熟読していただきたいところだ。

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2016.10.22

『大沼ワルツ』

10月22日(土曜日)
 『大沼ワルツ  / 谷村志穂 (小学館)』
 ここ一週間ほどかけて、積読だった懸案を一冊解決。
 函館蔦屋書店でのサイン会が8月13日で、その日に購入したから2か月ほど経ったのか。まあ、優秀な方かな。

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 これも自分の感性へのマッチング度が高く、何度も行間を読み直しながら読み進めました。
 戦後から現代にかけての、ある家族の波乱万丈ながらもほのぼのとした物語。
 「Always3丁目の夕日」ではありませんが、どちらかと言えばそっち系。だから、ネット上の書評にもあるように この雰囲気が嫌いな人は嫌いなんだろうな、と思います。(この雰囲気が嫌いな人はそれを察知して、読まなければいいのに・・・と思うんだけどな。)

 谷村志穂作品としては、前回読んだ「いそぶえ」も良かったけれど、一番好きな谷村作品「海猫」に匹敵するくらい、今回は良かった。そういえば、知らない土地に嫁いで波乱万丈を生きる女性を軸に展開、無愛想でツレナイ夫に嫁いだ美しい義姉に弟が横恋慕といった部分はそこに流れる空気感といい何となく「海猫」に通じるものがあります。 
 
 特に深く残るところは

  ・情景描写
  大沼が身近なところにあり、先週もrunで行ってきたばかり、ということもありますが、良く知った景色が谷村氏の豊かな表現力で頭の中に展開されます。
 春夏秋冬の季節感だったり、早朝・夕暮れ・しじまの温度感だったり、台風・真夏の湿度感だったり、北の大地や山梨での空気感だったり、戦後~高度経済成長期~現代の時代感だったり。あらゆる情景や光の具合なんかが具体的に脳裏に浮かび上がるのです。
 自分の中では谷村志穂はこの辺、川上健一や藤沢周平に次いで優れていると思えるほど。

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 ・愛の形
  登場人物たちが生まれ育った地域に対する愛。その地域が育んだ大自然への愛。人間というものに対する普遍的な愛。家族愛、姉妹兄弟間の愛、そして夫婦間の愛情。どこを切っても様々な形の“力強い”愛に溢れた物語。

 ・確かな時代考証とその盛り込み
  最初の出会いがある終戦時の首都圏、青函連絡船の文化、大沼駅・公園駅の変遷、洞爺丸台風~伊勢湾台風の壮絶な状況、ラジオ・洗濯機・テレビなどの家電が庶民の生活に普及する様、若者文化の象徴だったユースホステルの経営側と利用者側の詳細な描写等々。
  全て極自然に物語の流れに盛り込まれ、大道具・小道具として情景を形作っていきます。
  
 ・市内・近隣地域の状況
  大沼公園近傍はもちろん、長万部~函館市内(市電、棒二森屋食堂のライスカレー、丸井さん、函館公園)

 ・心理描写の形
  登場人物それぞれの行動の裏に隠されたそれぞれの心。行動の意味。それが皆奥深い。良くも悪くも読み手としての自分が裏切られる。しかし、その行動の裏を読む楽しみは尽きず。

  ・その他
 長い時代の流れの中の物語を書けば避けて通られない「老い」と「病」。対峙する家族。それと。。。
 谷村志穂作品の真骨頂は・・・ 頻度はごく少ないし、露骨な表現を使いませんがそれでも十分に艶やかな男女の交わりのシーン。健在です。
 静寂な夜、大自然そのものと交わっているような錯覚。細胞レベルで溶け合い融合してゆくかのような・・・という言葉は使っていなかったかな?しかしその心理描写というか情景描写、感覚的にはすこぶる良く理解できるところです。

 ...といったところでしょうか。

 家から30分のところにこの世界が現存している。大沼の三兄弟に嫁いだ山梨の三姉妹はまだご健在なのです。こんな素敵なことはありません。 お盆の函館蔦屋書店でのサイン会にもこのモデルとなった姉妹は見えられていました。
 
 心がほっこりする物語は、当時大沼湖畔に流れていたという「マリネラ」をBGMにして読み進めるのがより味わい深いかと思います。 

 

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2016.09.23

『約束の海』 

9月23日(金曜日)夜中から通して午後まで雨 
 9時、自家用車のエアバック(助手席側)リコール交換のためディーラーへ。
 折角夏季休暇を取らせてもらっているのだが結構な雨でもありrunにも出ず。割り切って、読書の一日と決めた。

 

『約束の海(著:山崎豊子)』 〔新潮文庫〕

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 山崎豊子の絶筆作品。白い巨塔、大地の子、沈まぬ太陽といった壮大な長編作品で国内第一人者としての不動の地位を築いた作者。
 今回もそれに匹敵する或いは上回る大きな作品になるはずだった。長く緻密に行われる取材や構成のプロットも概ね終わっていた。しかし、作品の一つ一つ文字通り身を削って送り出していた山崎氏は第一巻を書き終え、旅立ってしまった。

 今回のテーマは潜水艦と民間遊漁船の衝突という海難事故で前例のない死者を出した「なだしお事件」をモチーフとし、自衛隊とは、国防とは、戦争とは、マスコミ報道とは・・・。 自衛隊の潜水艦乗りの若者を主人公として彼と、真珠湾での辛い捕虜1号として生き地獄を送ってきた彼の父の人生を軸に、今、我々が真剣に対峙しなくてはならないタイムリーで深刻なテーマを掘り下げ、展開する。

 自分としても、国防、外交そして憲法に関しては譲れない強い思いがあるところだが、個々の問題はともかく それぞれを関連付けて説明しなければならないとき、まだ自己の中でスッキリと整理し切れていない部分があるのは自覚している。

 今回の作品は、竹島、尖閣諸島、南沙諸島等への進攻問題や自衛隊の立ち位置、軍備の在り方等々今日本国民の誰もが悶々としていながら、向き合いたい、しかし作家としては小説としてはなかなか切り込みづらい分野へ反戦への思いを己の根幹としている立場である作者がズバズバと切り込み一定の答えを出す・・・・予定だった。

 これまでの作品を読む中で、努力家で論理的で一人の人間としても尊敬する彼女の強い心に根差す想いは、反戦にしろ、反体制にしろ自分のポリシーとこの上なく合致するところであり、今回のテーマについても彼女としての最終解答がどういう形で表現されるのか、極めて興味深いことであった。
 それだけに、これほど悔やまれる小説家の死は自分にとって かつてない。

 小説第1巻の最後で、スタッフが、山崎氏の残した幾通りかのプロットを紹介しているのだが、これを読むと尚更、じくじたる思いが募るのを禁じ得ない。

 それにしても、素晴らしい作家をまた失ったものだ。あらためて、偉大な日本の小説家、山崎豊子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

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2016.09.20

フラペチーノ110番

9月20日(火曜日)晴れ (昨日+1℃)

 打って変わって怠惰を絵に描いたような日と決めた。せっかく夏休み休暇とったんだし。

    ***

 驚きのエピソードをひとつ。

 蛍光灯が劣化して配線から直さなければならず業者に頼まざるを得ないところがある。 ネットで電気工事110番なる24時間対応しているというサイトを検索し、2社ほど連絡してみた。

 5時間以上待って得た回答は、なんと、北斗市在住では提携会社に手配が付かず対応不可能というもの。
 「電気工事全国どこでもいつでも」を大々的に売りにしているサイトである。

 どうしても解せないため、試しに「北斗市といえども生活圏は完全に函館市なのだが」と
水を向けてみる(そんなこと。住所からMapを開いてすぐに気を回せよ!)。さすがに函館市ではそんなことはあるまいと踏んだ。
 ところがどっこい。エリアを広げて確認してみるとして一度切り、また暫くしてかけてきた電話に唖然。結局、函館市でも対応不可能、という回答だ。

 ・・・どうでもいいが、全国どこでもいつでもという大々的なWebサイトは即刻内容変更すべきだ。 
 とは言わず、とにかくダメならダメで時間を置かずすぐまずはその旨の電話をしなさい、とキツク助言申し上げて電話を優しく切った。

 夕方、函館蔦屋のスタバにふらっと出かけ、「コーヒーフラペチーノ」なるドリンクを注文しつつiPodで「Cubase」の使い方を勉強。一通り終わったらさっき購入した「約束の海(新潮文庫)」~山崎豊子の最後の作品~の「解説」のところを読んで寒くなって(内容にではなく、フラペチーノの低温にやられた)帰宅。

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