« スーパーブルーブラッドムーン | トップページ | We are そして overその1 »

2018.02.02

『サラバ!/西加奈子 著』(小学館文庫)

2月2日(金曜日)『サラバ!/西加奈子 著』(小学館文庫)

Img_6188
「僕はこの世界に、左足から登場した。」
で始まる、直木賞・本屋大賞2位など輝かしい金字塔を打ち立てたこの作品が文庫本化され、上中下の3分冊となった。

 本屋大賞は大体外れが無いし、これもいつかは読みたいと思っていたのだが今回たまたま本屋の店頭で目立っていたため、まずは上巻を「ジャケ買い」した。

 1冊目の舞台は全体の伏線で、何を言いたいのかわかりづらく少し退屈なところもあったが、その後はグイグイ引き込まれ、あっという間に読了。

 主人公「歩(あゆむ)」による自叙伝的な一人称語りで進む物語なのだが、彼の幼い頃の立ち位置感覚・自意識、そしてその後の退廃感など(容姿に関する自信や、大学1年期の奔放な行動等は全く別としても)自分にオーバーラップする部分が結構あり、それだけに、終盤の「力強い希望の光」を見いだしそう・・・的な上向きを予感させる展開はズシン、と奥深いところに響くものがあった。

 結論として、今この時期にこの作品に出会えたことはすこぶるラッキーだった。
 今、出会うべくして出会ったのかも知れないとも思える。
 
 昨日テレビで知ったことだが、作者西加奈子氏は、中東で暮らした経歴をお持ちとのことで、現地での貧困やテロなどと間近に向き合った生活経験がある。その背景から訴える情景や人々の心理描写などは、妙に迫力があるのだがそうした彼女のバックボーンを知らされると非常に納得がいく。

 まだお若いのに、この齢のオヤジに、やや大げさに言えば生きる希望を見いださせてくれるとは、人間、精神の成熟度合いは全然年齢じゃない、ということなのだ。
 今度は話題の「i」という作品も読んでみたくなった。

===
 SNS生活を大概にすると(最近はせいぜいtwitter閲覧程度だ)、結構な余剰時間が生まれる。その時間で近頃は読書三昧。というよりは、読みたい本が皆おもしろくて、そっちに没頭するからSNSに行く時間が全然とれなくなっている、というのが真実か。
 
 たまに巡ってくるのだが、今はまさに。自分にとっての充電期間。放電より充電が必要な期間なのだ。たぶん。

|

« スーパーブルーブラッドムーン | トップページ | We are そして overその1 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『サラバ!/西加奈子 著』(小学館文庫):

« スーパーブルーブラッドムーン | トップページ | We are そして overその1 »