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2012.01.07

“Player”になることの意味

1月7日(土曜日)
 正月が終わり、岩内に戻ってから軽い風邪をひいたらしい。サラサラの鼻水が気管のほうに微妙に降りていきコホンケホンと空咳のような咳をたまにしないと気持ち悪いのです。
 うまい具合にすぐ週末に突入したため、昨晩は総合感冒薬と喉スプレーをサツドラから買ってきて飲み早い時間に布団に入って温まりました。しかし今朝は改善の兆候もなく。この三連休は当番で岩内滞在。休みの間に何とか完治させたいのですが。

 昨夜来の吹雪で駐車場が大変なことになっているため、朝から1時間半ほど雪かきをし、熱いシャワーで汗を流し、そのまま布団に入って暖かさを持続させつつ読書にふけったのでありました。

 20120108__0031『走る意味~命を救うランニング~/金哲彦:著(講談社現代新書)』

 金哲彦さんは、駅伝やマラソン中継などでとても穏やかで分かり易いTV解説をしてくれるためマラソンランナー以外でも多くの方が馴染みあるのではないかと思います。

 年齢では私より一個下になる金哲彦さんの詳細な自伝とも言えるこの本では、彼の全てを赤裸々に語ってくれています。
 在日だからということとは直接的には関係ないのですが、数奇な人生と言えるほど山有り谷有りで苦労と努力の連続。しかし都度努力が報われ、その度に人間的に成長し人格に深みが出てきます。

 早稲田大時代、インターハイ出場もなかった無名選手として箱根駅伝5区で華々しくデビュー、その後4年間5区を走り2回の区間賞を取るあたりは、今の東洋大柏原選手のような存在だったようです。
 しかしその間名将中村清監督との出逢い、破門、大学卒業後自分を受け入れてくれたリクルート社でランニングクラブを設立し、選手としての華々しい実績を積んでいく。穏やかな中にも半端ではない反骨精神の持ち主であることがよく解ります。
 結婚とともに休職しボルダーへ単身修行のため移住。韓国籍でのバルセロナオリンピック代表を目指すも故障で夢破れ、小出監督の頼みを受け入れ有森裕子選手をトレーニング指導しバルセロナで銀メダルへと導く。それをきっかけに今度は小出監督から女子コーチ就任を打診され、現役を引退しコーチへ。
 優れた女子選手を育て順風満帆だった頃、小出監督が突然退団、高橋尚子選手をはじめ多くの優秀な女子選手が後を追ってリクルートを去る中、後任の監督となったのも束の間、会社の都合によるリクルートランニングクラブの解散の憂き目に。
 その後、NPO法人「ニッポンランナーズ」設立し市民ランナー目線での活躍・・・。
 
 その間、努力ではどうしようもないステージⅢの大腸癌との闘病以降は、競技としてのrun生活一本だった彼に新たな次元の境地が開け、自分で走ることの歓びや市民目線でのrunが本質的なrunのテーマとなっていくのです。

 ざっと思い出して書くだけでもこんなになってしまうノンフィクション。さらに子細に金哲彦さんの人生をたどれるこの本には、ランナーだけでなく、一人の人間として学ぶべきことがたくさん詰まっているようです。

 すなわち、「走る意味」だけでなく、“Player”としてありつづけることの意味を気付かせてくれるように、熱く、優しく語りかけてくれます。

 また良い本に出逢えました。

          * * *

去年の1月6日 実力?or強運?

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コメント

中村監督の「おまえは、韓国籍でオリンピックに出場するんだ。」とういう言葉に、素直にしたがっていれば、彼は正道を歩くことができました。恐らく、大腸ガンにもならなかったでしょう。
 監督の言葉は「無我」でした。彼の行動は「我」そのものでした。
 我(執着)を捨てることで人は自由に、正道を歩めるのだと思います。
P.S.
「世人は、首を回すことは知っている。回して周囲に何があるか、時勢はどうかを見分けることはできる。だが、もう少し首を上に伸ばし、前途を見ることを覚えないといけない。」 by 勝 海舟

投稿: kenta | 2012.01.15 12:30

kentaさん、いつもコメントありがとうございます。色々な見方があるものなのですね。
私は金哲彦さんが大好きですし、彼の生き方に共感できますよ(^^)
今年もよろしくお願いいたします。

投稿: NAOMI | 2012.01.15 22:32

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