« 石川鷹彦凄すぎ! | トップページ | おかえりなさい・・ »

2008.11.01

長い夜

11月1日(土曜日) ~大晦日小樽メモから~
 その日の日中、久々に長い距離をちゃんと走りたくなっていた。

 いつものマイコース、21kmのRUN、この時期これまでになく調子がいい。ぐいぐいスピードが上がり、疲労や痛みなど全然出てこない。
 結局、この時期の練習ではまず達成したことのないようなタイム。1時間45分ほどで走りきることができた。
 実際、これは正直、実に不思議なことだった。今思い返せば、これが予兆といえば予兆だったのかも知れない。

          * * *
 
 週末のレイトショーは比較的馴染みのある趣味として自分に定着している。
 その日も、丁度封切りという“レッド・クリフ”を目当てに21時過ぎには大門の太陽駐車場へと車を走らせた。
 ところが、週末深夜のレイトショーといえば常にガラガラという常識がいきなり覆された。
 毎月1日は映画の日。知ってはいたがこれほどまでに混み合っているとは・・。しかもレッド・クリフは封切り日とあって既に満席で入場不可。これは迂闊だった。

 思い返せばこれも不思議。早く帰宅しておいた方がいいという何らかのサインだったのかと どうしても結びつけて考えてしまう。

 22時過ぎに帰宅し、あとは映画鑑賞に充てるはずだった時間を持て余しながら自室でパソコンに向かったり。
 そのうちすぐに眠くなったが、飲んでいた茶のせいか変な冴えが頭に残り いざ寝ようとしてもすぐには無理でウトウトしていたのは1時間程度か。

 居間に電話。「おじいちゃんの調子が悪い。すぐに病院へ。」と家内から伝えられる。
 いつもの体調不良?また盛り返すに決まってる、面倒だ、とうけ流す気持ちと、ついに来たか・・・ と覚悟の気持ち。
 とにかく身支度をして実家の母を乗せ、病院へ急いだ。

 佐々木病院の病室へ到着するまでは約20分くらいかかったか。
 心臓マッサージを黙々と続ける医師。傍らに女性看護士と、水平のラインを映し出す心電モニター。
 父の意識は既になく、医師が胸を強く押す瞬間だけ、モニターの水平ラインが振幅するだけ。

「もう20分近く続けてるんですが・・」
医師が義務的に話す。演劇のワンシーンに見えなくもない。俺が家を出る頃にはもうこの状態だったのか。

冷たい頬を平手で叩き、顔を近づけ「お父さん」と呼んでみる。続けて何度も呼んでみる。
母も同じ。
「もう駄目なんですか?」
「ええ、20分も続けてこの状態ですと・・」
「お父さん、」「お父さん、」「起きて」・・・

無言の声が モウアキラメテハ・・・
「もうダメなんですか?」「お父さん、」

「もう(マッサージをやめても)いいでしょうか・・」
〔ソレハ モウ ゲンジツ ヲ ミトメロト イウ サイン〕

「おとうさん!」

最後に一度念を押すように呼んで、それで終わった。
1時7分
医師が時計を読む。

これが人の死。親の死。何てあっけないもの。

          * * *

 ナースセンターで医師から経緯の説明。そして今後の行動についてのアドバイス。
 こうして、悲痛な心を覆い隠すまでの 激しい時間の流れがスタートを切った。

          * * *

去年の10月31日 ユビキタス・インターフェース 
去年の10月28日 八郎沼→城岱牧場経由大沼

|

« 石川鷹彦凄すぎ! | トップページ | おかえりなさい・・ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 長い夜:

« 石川鷹彦凄すぎ! | トップページ | おかえりなさい・・ »