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2007.11.15

中期計画、現実を信じて

11月15日(木曜日)
 『信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせることが出来ない』。小説「津軽」の中で太宰治が言っています。このたちの悪い、しかしながら一面真理を突いている言葉が重くのしかかります。
 しかし、自分は「現実で人を信じさせたい」。信じさせなければならないと思っています。

          * * *

 一昨日、「道路整備の中期計画素案」が国土交通省から公表されました。昨日の新聞では新聞各紙、公表になった内容を極小さ目の記事で紹介。今日になって、各紙は一斉に社説等により自社の理屈を表明し始めています。
 「北海道にコスト縮減のしわ寄せかよ!国土交通省、なにやってんだ、しっかりしろ!」という論調の北海道新聞以外の全国紙はほぼ同様な論調のようです。
 「昨年12月の閣議決定を骨抜きにする狡猾な国土交通省。結局数字合わせでしかなかった中期計画。」
とまあこんな感じでしょうか。
 試しに「中期計画」をキーワードにブログ検索してみると、出るわ出るわ。素人から議員さんまでわんさか。

 内容・論調は「批判」の大合唱。「余剰分は一般財源とするとしていたのに、余剰分を出さないとは国土交通省、自民党道路族、笑止千万。」

          * * *

 そもそも、国土交通省の公表内容に肯定的な意見をわざわざご丁寧に表明する方は少ないのでしょうけれど、一方でこれは『沈黙の螺旋』、『裸の王様』状態といっていいかと。  
 大衆世論の傾向として、大きな声に同調し、どんどん膨れあがり、その大勢の意見が客観的に正解か不正解と無関係に、少数意見がそれを述べづらい状況になります。
少しでも反対意見を出そうものなら、袋叩きに遭うという強迫観念が生じたりもして、少数意見はどんどん出づらくなってゆくのです。

 だからこそ、あえて、当Blogではこの「間違った」大方の意見に反論します。これまで幾度も述べてきたところではあるのですが。(2006年10月15~17日の記事「道路特定財源とシーリング」、「道路特定財源と受益者負担」、「道路特定財源と暫定税率」など)

◆ひっ迫した国家財政って?
 国交省の出した中期計画に批判的な方々は一様に「道路はもういらない」「本来道路特定財源は余るはずなのに」「国家財政が大変なときに何故まだ道路整備?」といいます。国家財政の何がひっ迫していて、対策としてどんな方法があるか、ということを十分に勉強しているのか甚だ疑問な、上っ面論理が横行しているのには閉口させられる思いです。
・何を根拠に道路整備がもういらないと言っているのか。医療・物流・防災等々、道路整備が不十分な地域の現状をどこまで知っているのか。
・道路予算が「シーリング」というシステムで一方的に頭打ちにされてきたことを知っているのか。

 「本州四国連絡橋の償還が終わったから予算余る」のではないのです。元々、「必要な整備」は大行列を作って順番待ちしているということを彼らは知っているのでしょうか。

◆空気の大切さを思い出せ!
 そもそも道路予算の使途を知っているのでしょうか。真剣に考えようとしたことがあるのでしょうか。あえて言うのも気恥ずかしいですが、道路は空気のような存在です。現在の道路はきめ細かな維持管理により成り立っています。止めたらたちまちボロボロになって寸断です。
 アメリカミネソタで、老朽が原因で高速道路の巨大橋が落ちたニュースは記憶に新しいと思います。実は80年代にはもっと酷かった。
 日本も、戦後高度経済成長期に一斉に作られた道路構造物が間もなく寿命が尽き80年代の「荒廃するアメリカ」と同様な状態になると言われています。このまま何も手を打たなければ、です。国民生活が大混乱に陥る。
 その時に初めて知るでしょう。今の自分の生活がどんなに道路に頼って成立しているのかを。それでは遅いのです。(→「荒廃した日本」としないために

◆問題をすり替えるな!
 例えば、社会保障費が不足しているとします。その補填として何故道路予算が狙いい撃ちされるのか?極論ですが、誰かがたまたま大声を上げ始め、目立ったからではないのでしょうか?
 道路予算の他にも、代替えできる予算はあるのに振り向きもしない。特別会計にしても、他に何種類もある。
 全ての財源が洗いざらい平等に評価されるべきでしょう。要は、何かの予算が不足していることと、道路財源問題はセットなのではなく別問題なのです。
 他意はないですが、乱暴な例えであえて考えれば。
 つい先日、焼けて駄目にした自衛隊の最新鋭戦闘機。1機約120億円です。このクラスまで行かなくても、我が国に戦闘機は何機あるか知っているでしょうか。戦闘機の費用対効果を一般大衆はどう考えているのでしょうか。

 また極論で申し訳ないのですが、例えば。防衛省など不要!防衛予算ゼロにしてそれを全部社会保障費に回せ!あるいは、悪事ばかり働く社保庁は本当に必要なのか?
 なぜそういう議論が発生してこないのでしょう?自分は国防の何たるかや社保庁の何たるか詳細を知らずに上記のような例示をしてみました。そういう発想と同じレベルで、たまたま誰かの声が大きかった「道路整備」が標的になって語られていることに気がつきませんか。

◆「あなたが投票した」町長・市長・知事の意見を知っている?
 道路整備の中期計画策定にあたっては、3度に渡って国民アンケート等のほか、全国の首長や有識者から意見を伺いそれを反映していくことになっています。今回の素案ができるまで既に2度行われ、国土交通省のHPに全ての意見がそのまま掲載されていることを知っているでしょうか。民主主義の原点を静かに思い返し、自分の支持した首長達の意見を是非今一度確認して欲しいと思います。(全国知事・市町村長意見有識者意見)。

◆「道路特定財源の一般財源化」
 このことに関しては、当ブログでも、その意味するところを11月6日の記事で「飲み会の幹事」を例にかみ砕いて説明しています。
 そして、その弊害については、やはり11月7日の記事で紹介しています。「暫定税率」の撤廃・継続というややこしいお話を含め、多くの素人さんが上っ面で考えるより遙かに複雑な問題です。
 これらを全て理解した上でなければ道路財源の問題は軽々しく語れないと思いますし、特に地方部の道路現況や、老朽化している多くの道路構造物の実態を知らずして安易に「道路財源は余っている」などとは語ってほしくないと切に思うわけです。

 私はこの国を愛しています。愛するが故に、多くの国民に是非現実に目を向け、真実に目覚めて欲しい。裸の王様は、裸です、とハッキリ言える純粋な少年でありたいと思います。

          * * *

去年の11月15日 またもや痛飲

そうか、、今日は坂本龍馬の命日だったんだなぁ。坂本せんせ~!!

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