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2005.01.16

シリーズ「日本語の使いかた」2

 日本語の誤用や乱れに敏感なたちであることは以前「『日本語の使い方』斬りっ!!」    (2004年10月2日)で書いたことがある。
 今回、 題な日本語」(北原保雄 という本をネットで知り、さっそく今日書店で買ってみた。「ウン、ウン、ある、ある」というネタ満載。自分にとってはコストパフォーマンスの高い買い物で大満足。
 その中で自分も以前話題にしたネタについても取り上げられていたので、それについてコメントしておきたい。

「じゃないですか止め」
 流石にその道のプロが記しただけあって、実に理路整然として分かり易い分析だ。概略紹介すると

1)周知の事象について相手が知らない様子であり、それが心配な場合に「確認を擬装して断定を和らげる」用法と して使われる場合。これは許せる範囲。このケースはむしろ上手な使用方法だと気がついた。全てが全て、癇に障る言い方ではなかったということで、目から鱗だった。

2)一般的に千差万別な価値観に基づく嗜好の範疇の感想に関して相手に対して、「・・じゃないですか」という使用法。また、逆に、世間的に自明のことであり誰もがそう感じていて当たり前という事象に関して、「ご存じないかも知れませんが・・」の意味を含めて(いるように聞こえる用法で)控えめな調子で”教える”イメージ。これは癇に障る場合が多いはず。

3)他人の知らないプライベートな事象に関して「知っていて当然」という感じで共感や同意を求める用法。これこそ私も以前書いたように「おまえいつからそんなに偉くなったんだよ」と不快に受け取られてもやむを得ない。

 それぞれの用法について、文例を示して解説してあるので、本当に判り易い。
 不快度は1)→2)→3)の順で強くなるのがよくわかる。社会人になってもこの言い方をあらためないとよくないよ、という雰囲気で結んでいるこの章には大喝采を贈りたい気分だった。と同時に、1)の場合の用法には寛容でなければ逆に偏屈にとられても仕方ないので気をつけなければならないと感じた。

「おられる誤用」
 これについての記述には、異論がある。「おります」は謙譲語なので「おられる」を尊敬に使うのは誤り、ということは「日本語練習帳」(大野晋 著)でも明確に唱っているし、自分もそのとおりだと考えている。しかしこの本の中では「近年は『おられる』の勢いが強い」として「おられる」は尊敬語と考えるのが合理的、と結んでいる。
 しかし私はこれは「勢いが強い」ということで結論づけられる性質のものではないと考えている。それは以前も書いたが、もともと「オルは目上の人に対して低い姿勢で座っていることを示し、自分を卑下する心を現した言葉」という言葉のルーツがきちんと整理されているからである。
 この章を執筆した方は、このことを知らないで論じているのか、あるいは知っていてのことなのか、そのことを私は強く知りたい。

 まあ、こんな感じでほかにも日本語ネタ満載だ。まだ全部読んだわけではないが、目次や章のタイトル斜め読みした中では、確かにそうそう、と共感できるもの、逆に、えっそうだったの、と自分の間違いに気づき反省させられるものなど、色々であり興味深い。中にちりばめられている漫画も風刺とギャグが素晴らしく楽しい。是非お勧めの一冊だ。

 ちなみに、私が「『日本語の使い方』斬りっ!!」で取り上げていたイントネーションネタについては、まあ言葉の用法ではないので取り上げられていなくても仕方のないところだが、「・・ですから!」のいわゆる波田陽区用法ネタはこの本にはまだ取り上げられていなかった。旬ネタ度において、「勝った」と思った。

 特に自分が普段こだわっているようなものや、面白いネタなど、折に触れてこのBlogの中でも取り上げて、持論を交えて議論していきたい。さしずめ、次回は自分的にはすごくけしからんと考えている「すごいおいしい」と全然OKだと考えている「私的にはOKです」。これらの用法について取り上げてみようかな。

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